褌を作る・褌を染める



褌の縫い方と、褌を家庭用染料で染めるやり方を解説いたします。

■褌を縫う


ここで越中褌の縫い方を中心に紹介します。あくまでこれは一例ですので、細部は自分の体に合わせてください。


□越中褌の縫い方


自分のサイズは紐が130p、褌の長さが95p(短め)なのですが、寸法に関しては各自工夫してください。
褌の設計図は以下のようになります。
hundoshi

実際に生地を切ると下図のようになります。今回は薄手の晒し木綿を使いました。
hundoshi hundoshi


まず紐を二つ折りにして縫い代を織り込みアイロンで仕上げていきます。
紐の幅は自分は3pがベストと思いますが、好みにより調節してください。
ふんどし


本体の下端を織り込んで縫います。
褌


本体の上端を紐で挟み込むようにして、ミシンで縫って行きます。
ずれないようにマチ針でとめるとよいでしょう。
褌


紐を端から縫って行きますが、本体との接合部は図のように四角形に縫います。
褌を作る


縫い終わった完成図です。自分は結び目が横に来るように紐をずらして縫い付けています。
越中

□六尺褌の作り方



六尺褌は買ってきた布を切るだけです。晒し木綿が一般的ですが、「綿モス」あるいは「新モス」(下注)と言われる木綿もあり、こちらの方が肌ざわりが柔らかです。晒し木綿を売っているところはこちらを参照ください。
反物は10m前後ですから、一反で四本の六尺褌が作れます。
私は切った端は私はそのままにしています。最初はほつれがありますが使っているうちに落ちついてきます。
どうしても端が気になるという人は端を織り込んで縫ってください。

また私は反物の幅をそのまま使っています(全幅)。しかしもっと幅を狭くしたいという場合は幅を詰めることになりますが、これは少々骨が折れます。
買った状態の晒木綿反物の両端はほつれ止め加工をしてあります。

    ↓晒木綿の「耳」の部分のほつれ止め加工。
木綿

反物の幅を詰めた場合は長軸方向に大きくほつれが出ますから、ちょっとみっともないかんじです。
ですから端を折り返して縫わなくてはなりません。2メートル前後あるためちょっと手縫いでは疲れますし、強度に問題が出ますので、ミシン使用が推奨です。


□もっこ褌の作り方


私はもっこ褌は作ったことはありません。もしそのような機会があれば掲載いたします。

(注)綿モスとは「綿モスリン」の略ではないかと思われます。「新モス」は「新型モスリン」でしょうか。
しかし和服業界でモスリンはウールの平織りの生地を表すので、モスリンに似た木綿生地ということなのかもしれません。
綿モスは普通の店では売っておらず、私は「ユザワヤ」で買っています。「新モス」で検索しますと、いくつかのネット店で購入可能なようです。




■褌を染める


手芸用品店やDIY店で手軽に購入可能な家庭用化学染料を使った染め方を紹介いたします。

一、染める材料を用意します。
市販の越中褌、晒し木綿、新モスなど材料を準備します。新品のものは糊が付いていますので、必ず一度は洗濯をしてください。また汚れがあっても染ムラになります。
今回は、手ぬぐい用に裁断した新モスを使っていますが褌でも要領は同じです。
因みの素材によって染まり具合に違いがあります。
木綿>絹>化学繊維
この順番に染の色が濃くなります。
既製品を染めた場合、布と縫い糸で素材が違う場合があり、染色に差がでる場合がありますので注意してください。

二、染める準備をする
今回は最も簡単な輪ゴムを使った絞り染めと、割りばしを使った簡単板締め、そして簡易縫い絞りを紹介します。

下の写真左は適当に折りたたんで太めの輪ゴムで縛っています(A)。右は屏風たたみにして、半分に折った割りばしで挟み輪ゴムで縛っています(B)。
絞り


左は布を指で適当につまんで輪ゴムをかけたもので、全く目分量で適当に輪ゴムをかけています(C)。
右の「縫い絞り1」は適当にイメージした線をザクザクと手縫いし糸を引っ張って絞ったものです(D)。
しぼり


こちらはミシン大きめのの縫い目で縫ったあと、糸を引っ張って絞っています(E)。
染め


三、染料と道具
下左は、各種染料です。英国の「ダイロン」と米国製の「Rit」が有名です。
今回使ったのは80度前後のお湯で染める「Rit」です。作業は台所でも可能ですが、私はベランダで電気コンロを使って染めています。
下右は、試し染様の切れっぱしです。染める素材と同じものを用意します。
作業は染料がついても大丈夫な衣服を着ます。染料は手についてもなかなか落ちませんのでゴム手袋を着用することをお勧めします。
染める


四、染色
何度か試し染めをして、染料が好みの濃さになったと思ったら、準備していた素材を投入します。
染める時間は20分〜30分。
なお、濡れている状態と乾いた状態では染め上がりの印象が違います。このあたりは各自経験から学んでください。
染料

五、洗い、乾燥
取り出して水洗いをします。
輪ゴムや糸を取り外して完成。
染める


六、完成
完成品です。
左、輪ゴム適当たたみ絞り(A) 中央、割りばし締め(B) 右、輪ゴム適当絞り(C)
しぼり染め


いい加減縫い絞り(D)、とミシン縫い絞り(E)
かわりしぼり


褌を染める方法にはその他にもいろいろあります。自然素材が好きな方は、「草木染め」にも是非挑戦してみてください。
染の方法にも、絞り染めのほかに、板締め、ろうけつ染め、型染めなどいろいろな技法がありますので、各自研究してみてください。


褌



 
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